ヨーロッパ称号対照表


「西欧」の称号をまとめてみました。女性形がある場合は男性形の下に併記してあります。また、女性形には本人がその地位を持つ場合(女王、女公爵など)と、単なる配偶者である場合(王妃、伯妃など)があります。

称号 英語 ドイツ語 フランス語 イタリア語 スペイン語
世俗君主
皇帝 Emperor
Empress
Kaiser
Kaiserin
Empereur
Impératrice
Imperator
Imperatrice
Emperador
Imperatriz
ヨーロッパにおける皇帝は、理念上は古代ローマ皇帝の継承者のこと。よって、「原則として」皇帝を名乗れるのは西ローマ皇帝を継承する神聖ローマ皇帝と東ローマ皇帝を継承するロシア皇帝の2人のみ。ナポレオンの登場以降はこの原則が崩壊した。
King
Queen
König
Königin
Roi
Reine
Re
Regina
Rey
Reina
一民族の統治者の最高位。理念上は皇帝の下位におかれるが、事実上は対等な力を持つ。
大公 Archduke
Archduchess
Erzherzog
Erzherzogin
Archiduc
Archiduchesse
Arciduca
Arciduchésse
Archiduc
Archiduquesa
オーストリア公ルドルフ4世が「捏造」し、神聖ローマ皇帝フリードリヒ3世によって1453年に帝国法となった称号(非公式にはエルンスト鉄公が1414年より使用)。ハプスブルク家の成員のみに与えられる。
大公 Grand Duke
Grand Duchesse
Großherzog
Großherzogin
Grand-Duc
Grande-Duchesse
Granduca
Granduchéssa
Gran Duque
Grande Duquesa
王と公の間の称号で、ハプスブルク家以外の大公はすべてこのスペル。ドイツでは「1806年以降」から使われるようになった。
選帝侯 Prince Elector Kurfürst Prince Électeur Principe Eléttore Principe Elector
神聖ローマ皇帝を決定する投票権を持った聖俗諸侯。投票権についての称号であり、実際の地位とは関係はない。よって、選帝「侯」といっても実際の地位は王、公、辺境伯、大司教などである。
Prince
Princesse
Prinz
Prinzessin
Prince
Princesse
Principe
Principessa
Principe
Princesa
「親王」という訳もある。ただし、王族でない諸侯にもPrinceを名乗るものがあるため、このサイトでは暫定的に「公」で統一している。日本語に適当な訳がない典型例。
duke
duchess
Herzog
Herzogin
Duc
Duchesse
Duca
Duchessa
Duque
Duquesa
「大公」とする書籍もある。ただし、本来の「大公」と区別できなくなるため、このサイトでは厳密に「公」を使用している。ローマ帝政期の軍事官職に由来する最も古い爵位の1つ。なお、イングランドの「公」はフランク由来のものではない。
Marquess
Marchioness
Fürst
Fürstin
Marquis
Marquise
Marchése
Marchésa
Marqués
Marquesa
公と伯の間の爵位として、後に新設された称号。「辺境伯」に由来する。15、6世紀ごろまでは貴族全体を「Fürst」と呼んだ。
辺境伯 Margrave
Margravine
Markgraf
Markgräfin
Margrave
Margravine
Margràvio
Margràvina
Margrave
Margravina
帝国辺境の統治を任された伯。辺境防備のために通常の伯よりも強い権限が与えられ、地位も高かった。フランク王国時代からの称号。
方伯 Landgrave
Landgravine
Landgraf
Landgräfin
     
ドイツの各部族の長を帝国諸侯として承認したもの。1806年に廃止された。
宮中伯 Count Palatine
Countesse Palatine
Pfalzgraf
Pfalzgräfin
Comte Palatin
Comtesse Palatine
Cónte Palatino
Contéssa Palatina
Conde Palatino
Condesa Palatina
「帝領伯」とする例もある。皇帝の司法代理官で、その中のライン宮中伯は後に一般名詞化し、「プファルツ宮中伯」(プファルツ選帝侯)と呼ばれるようになった。
Earl/Count
Countesse
Graf
Gräfin
Comte
Comtesse
Cónte
Contéssa
Conde
Condesa
大陸の伯は、ローマ帝政期の5世紀ごろ地方支配の全権を付与されて配置された役人(comes)を起源とする。comesは都市を拠点に周辺地域を支配し、これを都市伯(comes civitatis)と呼ぶ。イングランドのEarlのみ起源が異なる。
城伯 Burgrave
Burgravina
Burggraf
Burggräfin
Burgrave
Burgravine
Burgràvio
Burgràvina
Burgrave
Burgravina
帝国直轄および諸侯領の城主。伯との上下関係は勉強不足のため保留。
子爵(副伯) Viscount
Viscountess
Vizegraf
Vizegräfin
Vicomte
Vicomtesse
Viscónte
Viscontéssa
Visconde
Viscondeza
「vis」(副)+「Count」(伯)、つまり伯の補佐、補助を起源とする爵位。
男爵 Baron
Baroness
Freiherr
Freiherrin
Baron
Baronne
Barone
Baronessa
Baron
Baronesa
騎士・準爵士 Knight Ritter Chevalier Cavalière Caballero
教会
教皇(法王) Pope Papa Pape Papa Papa
ローマ・カトリックの最高位。
大司教
大主教
Archbishop Erzbischof Archevêque Arcivéscovo Arzobispo
旧教は「大司教」、新教は「大主教」の訳を使う。
司教
主教
Bishop Bischof Évêque Véscovo Obispo
旧教は「司教」、新教は「主教」の訳を使う。
枢機卿 Cardinal Kardinal Cardinal Cardinale Cardenal
ローマ教皇の最高顧問。教会行政の補佐を行う。ローマ教皇の候補でもある。
修道院長 Abbot
Abbess
Abt
Äbtissin
Abbé
Abbesse
Abate
Badéssa
Abad
Abadesa


関連コンテンツ


ページの先頭
に戻る